国技館の住所は墨田区横網(よこあみ)。横綱(よこづな)ではありません。
2016-6-28
両国(りょうごく)といえば、言わずと知れた相撲の街。両国駅(JR総武線)の周辺には、ちゃんこ屋が軒を連ね相撲気分を高めてくれます。両国駅から徒歩1分のところにあるのが国技館(こくぎかん)。大相撲だげはなく、さまざまなイベントでも利用されています。
両国国技館の住所は東京都墨田区横網1丁目3番28号。国技館の住所である「横網」(よこあみ)は、場所柄、「横綱」(よこづな)と読み間違われることがひじょうに多いんです。相撲の町なので、「横網」(よこあみ)を「横綱」(よこづな)と読んでしまう心理はよく分かります。
そのほかにも国技館を武道館と間違えて来てしまう人もいるそうです。
墨田区横網の地名の歴史は古く、江戸時代初期には、すでに「横網」(よこあみ)の文字が、江戸切絵図(えどきりえず)という地図に示されていました。江戸切絵図は嘉永(かえい)2年から文久(ぶんきゅう)2年(1849年~1862年)に刊行された絵図で、今の携帯用・住宅地図にあたります。
横網町(よこあみちょう)の地名の由来には諸説ありますが、一説には、この周辺で海苔漁師たちが海苔を干すための網を横に広げて干していたところから「横網」(よこあみ)と呼ばれるようになったと言われています。
ちなみに日本相撲協会によると、横綱(よこづな)の起こり、横綱が免許されたのは、江戸時代後期の寛政(かんせい)元年(1789年)からなので、地名の横網(よこあみ)のほうが、相撲の横綱(よこづな)の歴史より古いことになります。
江戸時代、相撲の興行が行なわれていたのは、回向院(えこういん)。回向院は、東京都墨田区両国にあるお寺で、明治42年(1909年)、回向院の境内に国技館(旧国技館)を建立。連日、1万3,000人もの大観衆で埋めつくされましたが、戦後の混乱期に国技館は蔵前(蔵前国技館)に移転されてしまいました。
シンボルを失った両国に国技館(新国技館)が帰ってきたのが昭和60年(1985年)。両国の街は大いに活気づき、そのにぎわいは現在に至っています。
そんな相撲の町(現在の墨田区亀沢付近)に生まれたのが江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎(かつしかほくさい)。2016年の11月22日に、墨田区亀沢に「 すみだ北斎美術館 」が開館しました。約100年ぶりに発見された葛飾北斎の「隅田川両岸景色図巻」も展示されるなど話題を呼んでいます。
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