関西の奥座敷と呼ばれる兵庫県・有馬温泉(ありまおんせん)。早くも631年には日本書紀にその記述が見られ、愛媛の道後・和歌山の白浜と並び、日本三古湯のひとつに数えられています。
今回ご紹介するのは、鎌倉時代初期の創業と言い伝えられる老舗旅館 陶泉 御所坊(ごしょぼう)。玄関を入ると老舗ならではの粋な風情がただよいます。
陶泉御所坊は、谷崎潤一郎や吉川英治など文人墨客(ぶんじんぼっかく)にも愛されてきました。
お部屋は、谷崎潤一郎の時代からは改装されたと言いますが、なんとも風情あるたたずまいです。一画にはリビングスペースもあり、文豪気分が味わえます(客室のタイプは 宿泊プラン の中から選べます)
お部屋でひと息ついたら有馬の名湯を楽しみましょう。
有馬ならではの金泉(きんせん)と呼ばれる茶褐色のお湯は、鉄分を含む塩化物泉と塩化物泉強塩泉。庭の眺めを楽しめる露天風呂は半混浴になっています。
名湯に続いてのお楽しみは豪華な夕食です。
まずは前菜の盛り合わせ。中でも目を引く料理が「蘇」(そ)と呼ばれる一品。蘇とは古代の保存食で、牛乳だけを四、五時間、手で練り込んだものる
お造りは、イシダイ・甘エビ・ハモ・本マグロなど名高い明石の鮮魚がメイン。ハモは梅肉和え。極上のイシダイは塩で持ち味を楽しみます。
肉料理は、但馬牛(たじまうし)のローストビーフ。兵庫が誇る黒毛和牛の最高峰。金山寺味噌(きんざんじみそ)でいただきます。
煮物はまるで芸術品のよう。菊の花に見せたニンジンとカボチャの木の芽、トウガラシの葉です。天ぷらのネタもひと工夫。満願寺とうがらしとイチジクが添えられています。
谷崎潤一郎がこよなく愛した有馬の名湯と、絶品料理の数々に舌鼓を打ちながら、文豪気分が味わえます。
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