月山(がっさん)の麓に、20軒ほどの宿が軒を連ねる山形県大蔵村(おおくらむら)肘折温泉(ひじおりおんせん)。湯煙ただよう温泉街。昔ながらの湯治場の雰囲気を残す山あいの秘湯です。名物の朝市には、湯治の文化が今も受け継がれています。人々の暮しに息づく山形の名湯・肘折温泉を動画とともにこ案内します。
山岳信仰で有名な月山(がっさん)。肘折温泉は、その登山口にある宿場として古くから栄え、湯治の名湯として、県内外から多くの人が訪れます。最初にお湯が発見されたといわれる場所は共同浴場になっています。
肘折温泉の歴史 は古く、1200年を超える昔に発見されたと伝えられています。その昔、肘を折った老僧がこの温泉につかり、ケガを癒したという言い伝えが残っていて、それが 肘折温泉の名前の由来 になっています。
肘折温泉の泉質は、保温効果の高いナトリウム―塩化物泉と、古い角質を洗い流すナトリウム―炭酸水素塩泉。温泉の色や肌触りは、利用する源泉によって、宿や共同浴場ごとに微妙に違いますので、効能はさまざま。肘折温泉には、温泉療養相談所もありますので、個人に合わせた湯治の仕方を教えてもらえます。
そして肘折温泉といえば、江戸時代から続く朝市。肘折温泉では、自炊しながら長期療養する人も多く、朝市は昔から湯治客でにぎわってきました。新鮮な野菜や果物をはじめ手作りの笹巻き、さらにはマムシやサルノコシカケといった漢方薬まで、さまざまな品が並びます。肘折温泉の朝市 は冬場をのぞく毎日、朝5時ごろから始まります。
地元の人に守られてきた湯治の湯。肘折温泉では、湯治という文化が今も大切に受け継がれています( 肘折温泉公式ウェブサイト )
肘折温泉へ車では、東北自動車道・古川インターチェンジから1時間50分。電車では山形新幹線・新庄駅からバスでおよそ1時間です。肘折温泉に宿泊するなら秘湯情緒あふれる濁り湯と囲炉裏会席が自慢の宿・元河原湯(もとかわらゆ)がおすすめです。
肘折温泉の元河原湯はこんなお宿です。