岩手県花巻市。およそ600年前に発見され、古くから湯治場として利用されてきた自然豊かな花巻温泉峡・鉛温泉(なまりおんせん)
今回ご紹介するのは、今年(2015年)1月に鉛温泉にオープンした 心の刻 十三月 (こころのとき じゅうさんがつ)。全14室の高級旅館です。
真新しい建物の中に入ると高級リゾートホテルを思わせる空間。宿の名前・十三月(じゅうさんがつ)とは、はじめて出会う、これまでにない、という意味を込めた造語です。
最初のもてなしウェルカムドリンク。季節で替わるハーブティーやオレンジ・グレープなどのジュースが出されます。アルコールを楽しみたいという人にはワインが。口あたりのよい赤ワインが旅の疲れを癒してくれます。
ウェルカムドリンクを飲み終えたら自慢の客室へ。コンセプトの異なる全14室は、すべてが60平方メートル以上の広さをもつラグジュアリースイートです(客室のタイプは 宿泊プラン によって選べます)
大きな一枚鏡が目を引く洗面室はシックで落ち着いた空間です。赤い箱に入っているのは宿オリジナルのアメニティ。モダンなデザインの履き物が疲れた足をやさしく包み込んでくれます。
すみずみまで神経が行き届いた十三月いちばんのこだわりは、部屋の奥にある専用ソファーが置かれた空間とデッキスペースを設けた客室風呂。一畳半以上ある大きめの湯船からあふれんばかりの湯は源泉100%のかけ流しです。
源泉の注ぎ口は二箇所。ひとつは湯船の上から。もうひとつは湯船の底から。注ぎ口が上からの一箇所だけだと下にいくほど成分が薄くなってしまいます。そこで二つの注ぎ口で対流を作り、全体が上質な状態を保てるようにしているんです。
600年以上にわたって湧き続ける源泉100%の名湯をプライベート空間で堪能。ぜいたくなもてなしです。
温泉で心と体を癒したあとはお待ちかねの夕食です。三陸の旬を集めた海の幸や地元で獲れた山の恵みをふんだんに使った日本料理を味わいます。
宿の名物・三陸産アワビの酢の物は鮮度のよい鮑(あわび)のコリコリした食感が楽しめる逸品。遠野(とうの)の名産・山山葵(やまわさび)を使った酢でいただきます。
メインの地元のブランド牛・前沢牛の紙包み焼き。ていねいに育てられた牛だけがもつ上品で甘い肉汁が口いっぱいに広がります。
食事のあとはレストランに併設されたカウンターバーで一杯。午後7時半からピアノの生演奏も行なわれます。ピアノに耳を傾けながら大人の時間を過ごせます。
600年受け継がれてきた名湯と、ラグジュアリーな空間で、ほかでは体験できないくつろぎに身をゆだねる。2015年1月にニューオープンした 鉛温泉 心の刻 十三月 は、そんなぜいたくな時間を過ごせる大人の上宿です。