東京から北陸新幹線で金沢へ。金沢からjr特急しらさぎに乗り換え約25分。石川県の由緒ある加賀温泉郷(かがおんせんきょう)のひとつ粟津温泉(あわづおんせん)。今回ご紹介するのは、粟津温泉 法師(ほうし)。創業1,300年。北陸でも屈指の老舗高級旅館です。
有形文化財にも登録されている玄関口から広がるロビーは、宿の歴史を物語るもの(上の画像)。永平寺(えいへいじ)を建立した宮大工によるもので、基本構造は今なお往時のまま残されています。
宿に到着すると、抹茶室に案内され、抹茶と和菓子でもてなしてくれます。
こちら(上の写真)は、江戸時代の茶人・小堀遠州(こぼりえんしゅう)が礎を築いた法師の庭園。錦鯉が泳ぐ池は 6箇所もあります。
客室は和室。四季折々に移ろう日本庭園を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせます(客室のタイプは宿泊プランの中から選べます)
1.600坪ある広大な敷地は散策にも最適。苔むす小道は古刹(こさつ)を思わせる風情です。
敷地の中央には、有形文化財にも登録されている明治時代に建てられた延命館(えんめいかん)があります。総檜造りで、完成までに 5年を要したといいます。延命館には、三笠宮殿下や高松宮妃殿下など皇族や各界の名士が宿泊したことでも知られてます。ちなみに延命館は宿泊もできますが、一人1泊30万円です。
法師のお風呂は大浴場と貸切風呂(上の画像は大浴場)。粟津温泉は、霊峰・白山(はくさん)を開山した泰澄大師(たいちょうだいし)によって発見されたと伝えられる歴史ある温泉です。
こちら(上の画像)は貸切風呂。泉質は、ナトリウム―硫酸塩泉。塩分を中心とする温泉成分が肌を包み込むため、湯上がり後もポカポカのまま、夜はぐっすり眠れます。
粟津温泉 法師の夕食です。もてなしは季節を感じさせる繊細な和食の膳。器にも凝り、味わう喜びを伝えてくれます。お造りはどれも近海物。焼物は塩麹サーモンの朴葉焼き。地元で獲れた季節野菜のかき揚げは香ばしくて滋味豊か。強肴(しいざかな)は能登牛(のとうし)のすき焼き……(料理は季節や仕入れによって替わります)
こちら(上の写真)は、宿に伝わる名物料理の黄門粟餅(こうもんあわもち)。ふかした粟をよくついて、秘伝のタレで炊きあげた鶏肉を包んであります。口当たりがよく、上品な味わいです。
郷土の逸品が並ぶ会席料理。老舗旅館ならではの豪華なもてなしです。