南伊豆で金目鯛の煮付けが美味しい下賀茂温泉の老舗旅館
伊豆を代表する海の幸キンメダイ。脂ののった金目鯛を甘辛のタレで煮付ける姿煮は金目鯛料理の王様。今回は、本場のキンメダイを心ゆくまで堪能できる南伊豆の温泉宿 下賀茂温泉 石廊館(しもがもおんせん いろうかん)をご紹介します。
東京からJR特急踊り子で伊豆急下田へ。伊豆急下田から宿の送迎バスに乗り継ぎ30分。豊かな自然に抱かれた南伊豆・下賀茂温泉にある石廊館は創業から82年。歴史ある下賀茂温泉の中でも老舗として知られる温泉旅館です。
シックなたたずまいが印象的なロビー。空間全体がやわらかな間接照明に照らし出され、格調高い老舗の和風旅館の趣です。
こちらの写真のお部屋は、20ある客室の中でも3室だけという特別室のひとつ。落ち着いた和の風情がただよい、広縁(ひろえん)もゆったりとつくられたお部屋です。次の間6畳と8畳からなる二間続きで、広々としており、のんびりとくつろげます。客室のタイプは宿泊プランによって異なります。
宿に着いてお部屋でひと息ついたら宿自慢のお風呂へ。大浴場は、朝夕で男女が入れ替わりますので、伊豆石の内湯をはじめ庭園風の露天風呂など、四つの湯船を楽しむことができます。
泉質は、ナトリウム・カルシウム―塩化物泉。地元では塩湯(しおゆ)と呼ばれるほど、なめると塩辛い塩分の強い温泉です。そのため塩の成分が体に付着して、水分が蒸発するのを防ぐため、体の芯から温まり、潤いとポカポカ感が持続します。身も心も温まる極上の温泉です。
温泉を満喫したらお楽しみの夕食です。石廊館の自慢は、下田や沼津から直送される新鮮獲れたての海の幸。これをベテラン料理長がボリューム満点の豪華な会席料理に仕立て、地元を代表する海の幸キンメダイもさまざまな調理法でいただけます。
お造りは下田産キンメダイ・カンパチ・タイと、沼津産のアジ。寿司職人の経験もある料理長が、お凌ぎ(おしのぎ)で握り寿司も出してくれます。中でもキンメダイにはひと手間加え、表面を軽くあぶって香ばしくし、これにサーモンとアジの握りを加えて三点盛りでいただけます。
台の物は新鮮なアワビを使った踊り焼き。口あたりもやわらかく、かむほどにうまさがはじけます。鍋物は、キンメダイをはじめ海の幸がたっぷりと入った海鮮鍋。これにラーメンを入れるのが宿のこだわりです。
おまちかねの金目鯛の煮付けです。脂が乗って丸々と太った下田産のキンメダイを姿煮でいただけます。味の決め手は、つぎ足し、つぎ足してきた甘辛いタレ。金目鯛の旨みを見事に引き立てます。
朝食は、アジの干物・イカ刺し・湯豆腐・手作り厚焼き玉子など、品数も豊富。体にやさしい料理が食卓を彩ります。
キンメダイの料理を中心に地元・海の幸づくしの豪華なもてなし。金目鯛料理が目的で南伊豆へ旅行に行くなら、泊まる宿は、下賀茂温泉の石廊館がおすすめです。