岐阜県・飛騨高山の奥座敷として風情あふれる街並が美しい飛騨古川(ひだふるかわ)。今回ご紹介するのは、JR高山本線・飛騨古川駅から徒歩7分のところにある料亭旅館・八ツ三館(やつさんかん)。創業は安政年間。およそ160年の歴史を誇る老舗旅館です。
明治時代に建てられた本館は、国の登録有形文化財にも指定された飛騨の匠による名建築。玄関を入ると歳月を感じさせる木のぬくもりが旅人を暖かく迎えてくれます。天井の高い飛騨の商家造りを支える飛騨の松の木で造った梁(はり)にも歳月の重みを感じられます。
客室は全21室。ひと部屋ひと部屋趣が異なる造りで、すべてのお部屋が荒城川(あらきがわ)に面しています。上の写真のお部屋は露天風呂付き客室。昭和初期の数寄屋造りの面影を残した落ち着きある和洋室です。
和モダンに改装された寝室は76平米と広々とした空間。ベッドはシモンズ社製。ぜいたくな空間の中でゆったりとくつろぐことかできます(客室のタイプは 宿泊プラン の中から選べます)
こちら(上の写真)は、一枚岩をくり抜いたという御影石(みかげいし)で造られた客室露天風呂。お部屋のお風呂は、飛騨の地下水の沸かし湯。温泉ではありませんが、さらっとした肌触りのよいお湯で、旅の疲れを癒してくれます。
館内には、大浴場と野趣あふれる庭園露天風呂もあります。大浴場のお湯は温泉です。泉質は弱アルカリ性単純泉。効能は、神経痛・冷え症・関節痛・五十肩など。
こちら(上の画像)は、女性限定、女性の大浴場にあるバラの花を浮かべた釜風呂。15時から19時までの間、バラ風呂が楽しめます。
飛騨古川・八ツ三館(やつさんかん)の夕食です。食事は個室の食事処でいただきます。食事処に入ると、飛騨古川で江戸時代から続く和ろうそくでお出迎え。席に着いて部屋の灯りをつけると、目の前には旬の食材を使った彩り豊かな前菜が並んでいます。
まずは小松菜と鴨の酢味噌和え。続いてクリームチーズを加えてコクを出した玉子豆腐。ワラビやフキなど飛騨の山菜とお持ち昆布のおひたしにも料理人の技が光ります。
次は、飛騨牛のミニステーキ・行者にんにく焼き。飛騨と言えば飛騨牛。飛騨牛の旨みを存分に味わってもらおうということから、あえて脂身の少ない肉を使っています。
続いて登場したのがナントとらふぐ。飛騨のとらふぐのお刺身(薄造り)は、飛騨牛よりも驚かされます。山に囲まれた飛騨古川では、三年の歳月をかけて高級魚のとらふぐ養殖に成功。巨大な水槽でとらふぐを育てているんです。
飛騨の良質な地下水をフグが産卵する水域の塩分濃度に調整。ストレスをかけないように育てて、おいしい刺身にすることに成功しました。八ツ三館では料理長みずからふぐ調理師免許を取得。新しい飛騨の名物料理として、フグ料理も食卓に並びます(料理は仕入れや宿泊プランによって替わります)
山里の旬と新名物がなんともうれしい夕げの膳。満足できます。
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