東京から高速バスで約2時間。黒潮がもたらす海の幸と温暖な気候が魅力の南房総。今回ご紹介するのは、古くからの漁師町として知られる南房総・千倉(ちくら)で魚料理を看板に掲げる 魚拓荘鈴木屋(ぎょたくそうすずきや)。創業は明治32年(1899年)。老舗の料理宿です。
館内には、さまざまな魚拓が展示されています。先代が友人から譲り受けた魚拓を館内に飾ったのがギャラリーの始まり。依頼、屋号を「鈴木屋本店」から「魚拓荘鈴木屋」に改めました。
客室は昭和の風情がそのまま残る昔ながらの和室。どこかホッとできる田舎の実家に帰ったような雰囲気ただようお部屋です。トイレの付いたお部屋と付いていないお部屋があり、お部屋のタイプは 宿泊プラン によって異なります。
お風呂は温泉ではありませんが、レトロな雰囲気の湯殿は、年配の方ならきっと懐かしさを覚えるはず。
魚拓荘鈴木屋の自慢はなんといっても魚づくしの夕食。まずは舟盛り。アジ・カジキ・クロムツ・カンパチ・房総キンメダイ…。宿のある千倉一帯は、銚子・勝浦と並ぶ千葉県でも有数の漁業基地。沖合いに絶好の漁場があり、年間を通して、さまざまな魚介類が大量に水揚げされています。
魚拓荘鈴木屋では、地元出身の料理長が包丁を握り、熟練の技で千倉の幸をさばいていきます。磯料理はお手のもの。アワビをはじめタイやキンメ、房州伊勢エビなど、食材は地物にこだわっています。
煮物は、一本釣りで獲れた房総の釣りキンメ。秘伝のタレは、ちょっと濃いめの甘辛で、身はふんわり。ご飯がすすみます。
冬の時期にうれしいのが、あったか鍋。その名も「にいたにた」。魚拓荘鈴木屋の先代が、海女さんに教えてもらった漁師料理だそうで、アジの団子やワタリガニなど、海の幸がたっぷり入った味噌仕立て。
「にいたにた」とは、冬の海でひと仕事終えた海女さんたちが、鍋が煮えるのが待ち遠しくて「煮えたか煮えたか?」と言ったのが名前の由来だそうです(諸説あります)
新鮮で豪快な海の幸づくし。味はもちろん食べ応えもじゅうぶんです。南房総・千倉で魚料理が美味しい宿に泊まるなら魚拓荘鈴木屋はおすすめのお宿です。伊勢海老・アワビ・金目鯛などをメインにしたさまざまな宿泊プランも用意されています。
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