若狭湾(わかさわん)に望む福井県の小浜(おばま)。豊かな海の幸が何よりの魅力。若狭湾内ではトラフグの養殖も行なわれています。そんな福井県小浜市の阿南(あなん)に、リーズナブルな料金で絶品の若狭ふぐ料理が食べられる漁師宿がありますので、ご紹介します。
宿へはJR小浜線小浜駅(おばまえき)からバスで約15分。静かな入江(いりえ)が広がる阿南(あなん)でバスを降りると、海を目の前にした民宿街の一画に、漁師が営む若狭ふぐの宿 下亟(しもじょう)があります。
玄関を開けると、ふくがデザインされたのれんがお出迎え。若狭ふぐの産地とあって、ふぐは下亟(しもじょう)のシンボル。看板代わりといったところでしょうか。
部屋数は13。客室の広さは6畳から8畳。すべてシンプルな和室で、子供連れでも気兼ねなくくつろげます(部屋の広さは宿泊プランによって異なります)
チェックインをすませ、夕食までは時間があるので、お風呂で骨休み。岩風呂の壁にはトラフグが描かれています。十和田石を使った石風呂もあります。お風呂のお湯は温泉ではありません。
下亟は、ふぐの養殖場を持っていて、生簀(いけす)には、1万匹以上のトラフグがいるそうです。年間を通してトラフグが食べられるように、環境を保ち、エサは小魚などを与え、天然に近いものを育てています。
稚魚から育てておよそ2年。若狭ふぐのブランドで各地に出荷されている一級品のとらふぐをリーズナブルな料金で味わえるのも、ふぐの養殖を始めて27年というご主人の努力があってこそ。
こちらは一番人気の若狭ふぐのフルコース。二人前に3匹ものトラフグが使われていて、刺身から鍋まで余すところなく、とらふぐ料理の数々が味わえます。最初に出されるのは、ふぐ皮の湯引き。独特の歯ごたえが楽しめます。
続いては、淡泊な身の中に奥の深い味わいがあるてっさ(ふぐ刺し)です。一晩寝かせて旨みを引き出してから薄切りにします。身がしまっていて、うまみのあるてっさは、箸で豪快にすくって味わいましょう。
下亟に泊まったらぜひ味わいたいのが焼きふぐ。さばいたばかりのトラフグに軽く塩を振ってから炭火であぶるぜいたくな一品。刺身とはひと味違う食感と香ばしさが楽しめます。
とらふぐのフルコースでは、とらふぐの唐揚げもいただけます。外はカラッとして、中はふっくら。かみしめると口の中に旨みが広がります。
メインでは、てっちり(ふぐ鍋)、〆には雑炊が味わえます。下亟のご主人は農家もやっているので自家製のコシヒカリでいたただく雑炊は絶品です。
若狭ふぐを知り尽くしたご主人が絶対の自信をもつ下亟(しもじょう)のもてなし。訪ねれば味わいはひとしおです。福井県で若狭ふぐを堪能して、のんびりと休日を過ごすには「若狭ふぐの宿 下亟」はおすすめの民宿です。リーズナブルな料金で泊まれるのも魅力です。