田舎そばが運ばれてきました。なんかいい雰囲気。雰囲気があるというか風格が違いますね。つなぎを使っていないだけあって、香りが違います。これは期待できそう。
福寿庵の田舎そばは、北海道・茨城・長野から厳選したそば粉を使って、低速回転の石臼挽きで、じっくり挽き込んでいるので、風味が強いのが特徴だそうです。
三人で、まずはそばつゆにつけずに、そばだけの香りと喉ごしを楽しみました。ホントに風味が違います。さっき食べた手打ちそばとはまた違った風味です。
続いて、そばつゆに田舎そばを入れて、薬味といっしょに、いただきました。そばつゆ自体もとてもおいしいので、田舎そばの風味がさらに際立つ感じです。ワサビもかなりいいものを使っていますね。すみずみまでこだわりを感じます。
いや~、おいしかったな~、おそばも田舎そばも。大満足。と言おうとしたとろに、そば湯が運ばれてきました。そうそうこれこれ。おそばを食べたらそば湯で締めないと。手打ちの蕎麦屋に来て、そば湯を飲まないヒトがいるらしいけど、そういうヒトは、立ち食いそば屋に行きなさい!とボクは言いたい。
ある意味、蕎麦屋の魂ともいえるそばつゆを残して店を出るなんて、店主に対して失礼。そばつゆにそば湯を入れて、それをじっく味わう。やさしい味と風味が体中に染み渡る。今日はもう何も胃の中に入れたくない――そんな心境にもなりますね。
そば湯を楽しまないそばは、締めにおじやをやらないお鍋みたいなものであり、最後にデザートが出てこないフレンチのフルコースみたいなもの。そば湯をいただきながら、修くん、舞子さんと「いやぁおいしかったですねぇ。とくに田舎そばの風味には驚きましたね。鴨汁も濃厚だったねぇ」と、福寿庵に来てよかったことを再確認。