酸性泉(さんせいせん)は、成分に水素イオンを1リットルあたり1ミリグラム以上含み、ペーハー(水素イオン濃度)が3以下の酸性を示す温泉をいいます。酸味があって肌にしみるのが特徴。殺菌力にすぐれ皮膚病によく効く温泉として知られています。
酸性泉の効能は、浴用では乾癬や水虫などの慢性皮膚病、飲泉では慢性消化器病などの改善に役立ちます。酸性泉は刺激が強いので、湯ただれを起こす場合もあり、肌の弱いかたには適しません。
酸性泉の温泉地としては、酸ケ湯温泉(青森県)須川温泉(岩手県)玉川温泉(秋田県)蔵王温泉(山形県)沼尻温泉(福島県)那須湯本温泉(栃木県)草津温泉(群馬県)万座温泉(群馬県)白鳥温泉(宮崎県)などが有名
今回は、酸性泉の温泉で知られる福島県の宿 岳温泉 喜ら里 (だけおんせん きらり)をご紹介します。JR東北本線の二本松駅からバスでおよそ25分。日本でも珍しい酸性泉の温泉を源泉掛け流しで楽しめます。
客室は和の趣を重視した畳のお部屋。全24室。貴賓室と特別室には坪庭を見ながら入れる檜(ひのき)の内風呂が付いています。どの部屋も静かにのんびりとくつろげます(客室のタイプは 宿泊プラン によって異なります)
宿に着いて部屋でひと息ついたら自慢の温泉へ。ペーハー値 2.48 の酸性泉。泉質は無色透明。肌にやさしいやわらかいお湯です。効能は、慢性皮膚病・切り傷・やけど・神経痛などのほか、美肌効果にもすくれたお湯として知られています。
こちらは硫黄の固まり(結晶)です。長い年月を経て、源泉から発生した蒸気が温泉の湯の花と混ざって作られたもの。ここまでの大きさの硫黄の固まりはなかなか見られません。温泉の成分がぎゅっと濃縮されている感じがしますね。
酸性泉の温泉を堪能したら、お楽しみの夕食です。地元の食材をふんだんに使った旬の会席料理がいただけます。福島県といえば日本酒。料理にあった地酒が楽しめる利き酒セットも人気です。
朝食は、卵焼き・塩鮭・豆腐料理など、体にやさしい料理の数々。山芋をすり鉢ですっていただくとろろご飯は絶品です。
酸性泉の効能豊かな温泉と地元・福島の旬の料理でおもてなし。静かにゆったりと時間を過ごすなら 岳温泉 喜ら里 (だけおんせん きらり)はおすすめの隠れ宿です。