神戸電鉄有馬温泉駅から徒歩15分。今回ご紹介するのは、兵庫県の有馬温泉(ありまおんせん)でいちばん小さな宿、ホテル花小宿(はなこやど)。客室の数は 9室。母娘旅行など大人旅におすすめの隠れ宿です。
神戸港の開港後、来日した外国人たとは避暑のために有馬温泉を訪れました。温泉街には外国人をもてなす専用のホテルが多く建ち有馬の地名は広く知られるようになりました。ホテル花小宿は、その繁栄した当時をイメージしして、昭和初期からある温泉旅館をおよそ15年前に改装されました。
こちらは2階の洋室。改装するさいにこだわったのは明治・大正期に外国人が逗留した宿をイメージしたしつらえ。この部屋は、大広間の高い天井をそのまま活かしたことで、開放感のある客間になっています。
時代物の調度品も落ち着いた雰囲気をかもし出しています。障子戸には表面を加工した琥珀色(こはくいろ)の板ガラス。陽がさすと部屋にやわらかな光を投げかけます。客室のタイプは宿泊プランの中からお好きなお部屋を選べます。
ホテル花小宿には二つの貸切風呂があります。楓呂(かえでろ)は円形の五右衛門風呂と半円形の浴槽。形の異なる二つの湯船を備えた浴槽です。
もうひとつの貸切風呂・蔦葉子(つたばす)はバリアフリー対応。車椅子も備えられていて、スロープや手すりも完備されています。24時間利用できます。
温泉は源泉からの距離が近いほど鮮度がいいと言われています。ホテル花小宿は、浴室の外で湧く源泉から湯を引いているので、塩分濃度の高い上質な湯で、極上の湯浴みが楽しめます。
夕食は食事処でいただきます。
料理人がかまどで炊いたご飯など、シンプルで、食材の味を引き出した料理が楽しめます。カウンター越しに目の前で調理する職人の巧みな技を見るのもまた一興(いっきょう)
最初の料理は瀬戸内海の幸・明石(あかし)の名産タコを使った一品(ひとしな)。明石のタコは激しい潮の流れにもまれ身が引き締まっています。そのタコを漁港で直接仕入れ、旬の野菜と炊き合わせた素朴な料理です。
食事の締めは兵庫県のコシヒカリをかまどで炊きあげたご飯。ひと粒ひと粒の米の甘さが口の中で広がります。
日本最古の名湯・有馬のお湯と、良質な食材の味を存分に楽しめる料理が、身も心も満足させてくれます。全9室。有馬温泉 ホテル花小宿は、母娘旅行にはおすすめの隠れ宿です。静かに極上の時間を過ごせます。