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分とく山の広尾本店

専門学校を出て彫金の仕事がしたくて職人の世界に飛び込んだ娘。今年で丸3年を迎え、やっとお給料をいただけることになり、初給料で、私と夫に食事をプレゼントしてくれました。

分とく山 本店 娘がプレゼントしてしてくれたお店は、東京の広尾にある高級日本料理店・分とく山(わけとくやま)。料理長の野﨑洋光(のざきひろみつ)さんはNHKをはじめテレビでも活躍されている有名な日本料理人です。

広尾という場所もさることながら、洗練されたお店の雰囲気はさすが。ミシュラン二つ星を取得しただけのことはありますね。外苑西通りに面していますが、お店の中は静かで落ち着きがあり、まるで別世界です。

分とく山 本店の個室 入口すぐの階段を上り2階のフロアへ。案内された席に着くと、ひとりひとり違う和柄のナフキンとツバキの花のあしらわれたセッティング。早々におもてなしの心を感じました。

分とく山 本店の調理風景 心地いいエスコートと歓迎のご挨拶を受け、飲み物を選んでいる間に職人さんが目の前でお料理を調理し始めました。小さな土鍋を火にかけたかと思うとウニを入れています。「これが私たちに出されるのかしら」料理を待つ間も期待感が膨らむ演出はさすがです。

懐石料理(先付) まずは先付(さきづけ)に銀杏(ぎんなん)とウニのスープが出てきました。銀杏を裏ごしたスープにウニがたっぷり載っていて、色どりに芽キャベツが添えられていて色合いも鮮やか。口に含むとやさしい銀杏の味と海の香りが口いっぱいに広がりました。

分とく山 本店の板前さんの包丁さばき 目の前では板前さんが手際のよい技を見せてくれます。お魚の皮を鮮やかに剥がしたり、さばいたり、包丁さばきも美しく、ショーを見ているよう。主婦の私も毎日包丁を握っていますが、まったく別次元の世界です。

懐石料理(お凌ぎ) 続いてお凌ぎ(おしのぎ)。一口大のきれいで可愛らしいお料理が細長のお皿に飾られて出てきました。女性はこういうのに弱いんですよね。「どんな味がするんだろう?」想像を駆り立てられます。中でもホタテのムース仕立て(上の画像の右から二番目の白いお料理)は、程よい塩味と初めての食感に感動でした。素材を活かすってこういうことなんですね。

エンドウのすり流し 「こちらはエンドウのすり流しでございます」お椀を開けると翡翠(ひすい)色のえんどう豆の汁が鮮やか。春を感じるお料理です。

懐石料理(お造り) 板前さんが大きなホタテのような貝をさばいていたので、お造りにはホタテが出てくるのかな? と思ったら、ホタテのような貝はタイラガイでした。ホタテよりも歯ごたえがあってシャクッとした歯ざわり。春の魚と書く鰆(さわら)は皮をサッと炙ってあり絶品でした。

懐石料理(進肴) 進肴(すすめざかな)は分とく山の名物ともいわれる鮑の磯焼き。こちらに伺う前からこのあわび料理には興味津々で、いちばん食べたかったお料理です。出てきたのはアワビの貝の上にたっぷりの岩のり。見た目は真っ黒といった印象なのですが、この中にアワビが隠れているのかと思うと、どんなか味なのか、とてもワクワクしてきます。

アワビのお造り てんこもりの海苔をこぼさないように、ゆっくりとお箸で中を探ってみると、肝の裏ごしソースをたっぷりとまとった大きめに切られたアワビが出てきました。お箸でつかんだ感じも見た目にもとても柔らかそうですが、口に運ぶと期待を裏切らない柔らかさと味です。口に入れたときの一口の大きさがちょうどよく、なおさら満足感を誘います。海苔と肝のソースがよく合います。ソースも最後までしっかりいただきました。

懐石料理(組肴) 続いて組肴(くみざかな)。まだまだお料理は続きうれしいかぎり。今度は梅のつぼみがあしらわれた5点盛りのお皿です。蛸(たこ)の柔らか煮はほんとうに柔らかでした。主人は牡蠣の甘辛煮がおいしいと言っていました。私はたらこの上に山芋があしらわれたお料理がとても気に入りました。アレンジして家でも作れるかな。

懐石料理(強肴) 懐石料理の順番でいうと、次は強肴(しいざかな)の牛肉の豆乳炊き。やさしい味の塩加減ですが、三つ葉がアクセントになっています。柔らかい上質のお肉もたっぷり入っていて食べごたえあり。懐石料理の順番の漢字ってむずかしいですね。強いさかなと書いて強肴(しいざかな)とはなかなか読めませんもの。

懐石料理(食事) お食事はアミたっぷりの炊き込みご飯の三つ葉載せ。1組ごとに土鍋で炊いた炊きたてを「こちらです」とその場で蓋をとって披露してくれました。

土鍋炊き込みご飯 炊きたて土鍋ご飯はお店の方が一人分ずつ取り分けてくれて運んでくれます。

和とく山の炊き込みご飯 目の前に置かれた炊き込みご飯には先ほど見せていただいた「あみ」がたっぷり。ぬか漬けには珍しい山芋のお新香も添えてあり、シャキシャキと歯ごたえがいい。出汁(だし)がやさしいお吸い物もいいバランスです。「おかわりはいかがですか?」と声をかけていただきましたがさすがにお腹いっぱい。主人はしっかりおかわりしてました。

食べきれず残った炊き込みご飯は、竹の子の柄の包で包装してお土産にしてくれます。これはうれしいサービスですね。

懐石料理(甘味) 最後には甘味(デザート)でしめくくり。いちごとそら豆のみかん煮とチーズ豆腐。そら豆がデザートになるとはねぇ。いっしょに添えられた黒蜜寒天がおいしかった。そして、チーズケーキならぬチーズ豆腐に感動。まさにチーズケーキじゃなくってチーズ豆腐なんです(笑)さっぱりした食感でありながら濃厚であとを引く、分とく山に来ないと食べられない初体験の味と食感でした。

分とく山 広尾本店 お腹も心も幸せ感で満たされ大満足。コートを着るときもエスコートしていただき、出口では料理長の野﨑洋光さんもいっしょにお見送りしてくださいました。「娘のプレゼントなんです。いい思いをさせていただきました」とお礼を言うと「私たちはそういうお話がいちばん嬉しいんですよ。またお待ちいたしております」とおっしゃって、いつまでも見送ってくださいました。

分とく山の本店にはホームページがありません。 分とく山の本店には公式ホームページがありません。これだけ有名な料理店なのに珍しいですね。野﨑さんいわく「ホームページがなくてもお客さんがいらっしゃってくださるので」とのこと。素敵。

分とく山 お店におじゃまするまでは、一生に1回だろうななんて思っていましたが、幸せな時間を過ごしたあとにはもう一度おじゃましたいなって思いました。次回は私たち夫婦の結婚記念日に インターコンチネンタル東京ベイの分とく山 に行ってみたいな。

結婚記念日が近くなったら主人におねだりしてみよう(笑)

分とく山ホテルインターコンチネンタル東京ベイのプラン一覧

尚子

投稿者プロフィール

東京都在住。1964年生まれ。主婦。子育ても落ち着いたので地域情報紙の編集アシスタントとして従事。趣味は旅行。家族四人+愛犬1匹

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