南房総の館山に1万円以下で泊まれる料理自慢の温泉宿があります。
南房総で地魚料理が食べられる温泉宿を探しているんだけど条件は1万円以下で泊まれる宿。どうでしょうか? そうですね。それでしたら館山(たてやま)に サンゴの湯 やどかり という宿がありますよ。料金は安くても訪れる人の期待は裏切りません。
サンゴの湯やどかりまではJR内房線の館山駅からバスで約20分。バス停・加賀名(かがな)から歩いて5分。もともとはペンションとしてオープンし、15年前にリニューアルしました。
玄関を開けると入口で季節の花々がお出迎え。アットホームな雰囲気です。館内には女将が生けた花が至るところにあり、なごみの空間を演出しています。心づくしのおもてなしに期待が高まります。
部屋数は16。客室の床には天然の杉を使い、壁には昔ながらの漆喰(しっくい)が使われています。こぢんまりとした造りに、ぬくもりが感じられるお部屋です(客室のタイプは 宿泊プラン によって異なります)
宿の自慢は毎日、薪(まき)でわかすお風呂。夕方には入れるように、午後3時からご主人が薪をくべ、2時間がかりでお風呂のお湯をわかします。手間はかかりますが、木の香りが心地よく、お湯がやわらかくなるんだそうです。これももてなしの心。
宿の名前にあるサンゴの湯の由来となったのがミネラル豊富な鉱泉(こうせん)。かつてサンゴがあったとされる地下15メートルの地層から汲み上げています。湯船は人気の五右衛門風呂。湯殿は別棟になっていますが、貸し切りもできて、ゆったりと湯に親しめます。
宿のこだわりは新鮮で安心して食べられる地の食材を使った料理。仕入れは女将さんの役目で、朝、早くに近くの漁港まで出向き、水揚げされたばかりの魚を馴染みの漁師さんから買い付けています。豊かな漁場が広がる房総の海。魚は自分の目で確かめて、どこよりも安く仕入れているんです。
野菜は有機栽培によるもので、すべて穫れたて。自家菜園で育てたものを使うほか、近隣の農家からも直接買い付けています。これも安さの秘訣。どの野菜もみずみずしい大地の恵みです。
お造りのお刺身はクロダイがメイン。身がしまっていて、ほどよく脂が乗った上物です。房総で獲れた旬の味覚でもてなすのが宿のポリシー。お客の健康も気づかい、一品一品まごころを込めて作っています(料理の内容は仕入れや季節、宿泊プラン によって異なります)
食事は予約をすれば囲炉裏のある個室も利用できます。なかなか落ち着いた雰囲気です。品数豊富で彩り豊かな料理の数々。温かいものはできたてを。自家製の味噌で作った自慢のみそ汁もごちそうです。
朝食にはサバの味噌煮やほうれんそうなどが用意されます。これぞ日本の朝ごはん。中でも評判なのが生卵。近くの養鶏場から仕入れているもので、エサにこだわった平飼いのニワトリが産む有精卵は滋養満点。卵かけご飯でいただけば食が進むこと請けあいです。
地の食材を使い、手間暇かけた手作りの味。これにまさるおもてなしはありません。夕食には体にやさしいヘルシーな料理がざっと10品並び、これで、1泊2食付きの料金は1万円以下(1万円以上のプランもあります)。南房総の館山にある サンゴの湯 やどかり は、一度は訪れてみる価値があります。