記事内に広告を含みます

2017年12月20日。茨城県下妻市にある「あかり家」にお友だちのエミちゃんと車で行ってきました。あかり家は、材木屋さんだったご主人のご実家をリノベーションした古民家ギャラリーカフェで、築80年、昔の姿をそのままに残した欄間や建具の細工の美しさには感動します。ご夫妻ふたりでお店を営んでいらっしゃいますが、飲み物・お食事・お店の小物に至るまでお二人のセンスの良さをあちらこちらに感じるお店です。

あかり家は国道125号線に面していますが、125号線はわりと大きな道路なので、流れにまかせて走っていると見逃してしまいそうなほど。外観はシックなこげ茶色で、入り口にさり気なく飾られた木の看板と、茶色の板に白字で小さく「P」と書かれたパーキングの目印だけが「お店かな？」と思わせます。

「P」と書かれた矢印に従いお店の横を通って裏に回ると10台ほど停められる駐車場があります。「あかり家」と書かれた表札横の入口は昔懐かしい感じの木の引き戸になっていて中に入るとおばあちゃんのうちの玄関のよう。ここで靴を脱いで、スリッパに履き替えます。

一歩中に入ると、思わず「わ～」と言ってしまうようなみごとな空間。材木屋だったというご主人の実家をリノベーションしたそうで、ご主人はここで生まれ、小さな頃からずっと暮らしていらしたとか。当時の面影はそのままに天井などを吹き抜けにしたりなど手を加えてお店に改装されたそうです。

あかり家にお邪魔したのは午後2時を過ぎていたので、忙しいランチタイムも過ぎ、お客さんは私たち二人。「どうぞ自由に見て回ってください」とおしゃっていただき、広い店内を回らせていただきました。元材木屋さんの店があった場所には益子焼の陶芸作家の方の作品が飾られたテーブル席がありました。窓が大きく明るい開放感があるお部屋で、作家さんの作品を眺めながらお茶の時間が楽しめます。

こちら（上の写真）は1階奥のふすまの部屋。一段小上がりになっていて、じゅうたんが敷いてあり、テーブル掛けになっています。まるで大正ロマンのような雰囲気がするすてきなお部屋です。

吹き抜けがすてきな2階にも上がらせていただきました。吹き抜けだけが飾りになっているのかと思いきや、2階にもお部屋が設けてありました。こちらはテーブルではなく畳敷きで座布団で直に座る和のお部屋。床の間があり小物も素敵です。

私は中でも建具の細工（組子建具＝くみこたてぐ）の美しさに感動しました。日本の素晴らしい伝統を鑑賞しながらお茶がいただけるってなんて贅沢な空間でしょう。

こちら（上の写真）は二階の吹き抜け部分から下を見下ろした時の画像です。どこを切り取っても、ほんとうに素敵な建物です。日本人の建築技術の感性もすごいなって改めて感心してしまいました。

店内散策が終わり席につくと、注文したケーキと珈琲のセットが運ばれてきました。コーヒーはご主人が自家焙煎した豆を使ったという愛情こもった一杯。やさしい味がします。

「今日はいちじくとベリーのソースです。」と奥様。ケーキとソースは奥様の手作りだそうです。チーズケーキに添えられたいちじくのソースをひとくちいただくと、あまりの美味しさに驚きました。甘さ控えめのチーズケーキとソースは、いっしょにいただくと絶妙なハーモニーがかもし出されます。

テーブルから眺める厨房は、土間のようなつくりになっていてシンプルでレトロないい雰囲気です。ご夫婦お二人仲良く作業されている様子が伝わってきます。

玄関と厨房の間には薪ストーブがあり、ご主人が薪をくべるところを見せてくれました。

「もしよかったら、この椅子に座って炎を眺めていかれませんか？」とご主人に勧められ、ロッキングチェアに座り、家の主（あるじ）になった気分まで味あわせていただけました。

コーヒーをいただいたあと、さっきさらっと眺めた作家さんの作品を今度はじっくりと鑑賞させていただくことにしました。

茨城は笠間焼が有名ですが、あかり家さんに置いてあるのは益子焼の作家さんの作品だとか。器を買う気はなかったのですが、なんと酒器にひとめぼれ。

一目惚れしてしまった器がこちら（上の画像）。巡り合うってこういうことなんですね。こちらが2,500円。私でも購入できる価格はうれしかったですね。

古民家のすてきなお店で美味しいコーヒーとケーキをいただき、楽しいお話も聞かせていただいて幸せな時間を過ごすことができたギャラリーカフェあかり家でした。今度はランチをいただいてみたいと思います。もちろんご主人の自家焙煎珈琲も。