新宿から小田急ロマンスカーで約1時間40分。今回ご紹介するのは、江戸時代から知られる七つの湯治場・箱根七湯(はこねしちとう)のひとつ宮ノ下温泉(みやのしたおんせん)にある 四季の湯座敷 武蔵野別館 (しきのゆざしき むさしのべっかん)。創業は明治16年(1883年)。七つの湯船で湯めぐりができる老舗旅館です。
館内は畳を敷き詰めた和のインテリア。静かな森の中でやさしく包み込まれるような雰囲気が漂います。四季折々の姿を見せる日本庭園の眺めもほっと心がなごみます。
客室はすべてのお部屋に檜風呂が付いています。お湯は源泉100%掛け流し。縁側に出れば箱根外輪山の山々が望めます(客室のタイプは 宿泊プラン によって選べます)。宿に着いてひと息ついたら温泉へ
宿の自慢は湯めぐり。七つのお風呂に入れます。こちらは湯の小屋・山の湯。茅葺きの中は野趣あふれる貸切露天風呂。その昔、小田原攻めをした豊臣秀吉が、この渓谷に湯治場を開きました。その同じ谷に湧く源泉です。
こちらは貸切露天風呂の隠れ湯・薫風(くんぷう)。開放的あふれる湯船は貸し切りなので誰にも邪魔されることなく、のんびり、ゆったり、時を過ごせます。そのほかにも天井も湯船も檜(ひのき)でできたぜいたくな端午の湯など、3,000坪の湯殿で、箱根の名湯を満喫できます。
湯めぐりを楽しんだあとは絶景の湯上がり処でひとやすみ。冷たい野草茶のおもてなしにほっとひと息つけます。湯上がり処からの景色は小田急ロマンスカーのポスターにも採用されたほど見事な眺めです。
箱根・武蔵野別館の夕食です。相模湾の新鮮な海の幸や地元の山の幸をふんだんに使った懐石料理がいただけます。食事は夕食・朝食ともにお部屋食なので、気兼ねなく、食事が楽しめます。
じつは武蔵野別館の自慢は朝食(豆腐懐石)なんです。温泉旅館の朝食の定番といえば干物ですが、武蔵野別館では、お頭(かしら)付きの煮魚・赤カサゴの釜炊きが朝食から出てきます。なんとも豪華。塩分控えめのやさしい味付けです。
宿いちばんのおすすめは湯の花豆腐(ゆのはなどうふ)。炊き上がると、豆腐が溶けて白く濁り出し、それが温泉の湯の花のように見えることから湯の花豆腐の名が付けられました。豆腐はふわふわ。毎朝つくる自家製です。豆腐だけではなく納豆も自家製。なめらかな舌触りが特徴です。
竹林に囲まれた3,000坪の湯殿での湯めぐりと、地元の海山の幸を盛り込んだもてなしに、大満足。箱根 宮ノ下温泉 武蔵野別館 は、ワンランク上の上質な時間を過ごせる大人の隠れ宿です。結婚記念日や還暦祝いの温泉旅行にもおすすめできる旅館です。