2016年2月24日。銀座6丁目の洋食屋あずまでランチを食べ終え、店を出ると、すぐ隣のビルに自家焙煎珈琲のお店「然林庵」(ぜんりんあん)の看板が目に入りました。
ビルの踊り場に一歩入ると、厚みがある一枚板で作られた立派な看板があります。喫茶店はビルの6階にあるようです。なんだか当たりの予感。お友だちと二人、然林庵で食後のお茶をすることにしました。
こちらのビルにはいろんなお店が入っているようです。私たちと同じエレベーターに乗り合わせた女性のグループは4階で降りました。4階には中華料理店・莉苑(りえん)とあります。きっと評判のお店なんでしょうね。
6階に到着。エレベーターを降りるとすぐに入り口があります。入口前はとても狭いスペース。下の看板同様、木でできた表札のような看板がかかっています。足元には黒板でできた立て看板に今日のコーヒーなどのおすすめメニューが書かれています。
入り口の横には陶器のディスプレイが。カップ&ソーサーやお抹茶をいただくようなお茶碗も飾ってあります。こんな場所に喫茶店があるとは気づかないというような知る人ぞ知るという場所にある自家焙煎珈琲店。お店の中にはお客さんはいるのかしら? そう思いながら然林庵の店内へ。
お店に入ると、目の前に何百年も経っていそうな大きな切り株のテーブルが置かれています。そのほかに、二人掛けから四人掛けのテーブルがいくつか配置されていました。せっかくなので、雰囲気を醸し出している存在感のある大きな木のテーブル席に座らせていただくことにしました。
窮屈なエレベーター前のホールとは打って変わって、私たちが座ったスペースの反対側にも奥ゆきがあって、席がいくつかありました。然林庵は喫煙ができる喫茶店のようです。お店の常連さんらしき人たちが何組も美味しそうに煙草をくゆらせながら歓談されていました。
「お品書き」と書かれたメニューを開くと、自家焙煎をうたっているだけあって、珈琲の種類が半端じゃありません。ブレンドだけでも6種類あります。お友だちはお店の味を知りたいということで「然林庵」というお店の名前がついたブレンドを注文。
私はいつも通っている喫茶店のパナマが大好きなので、ここのお店はどんな焼き方をしているのか、パナマを飲んで、比べてみることにしました。甘いものも食べたかったのでチーズケーキをお願いすると売り切れということだったので、ザッハトルテをお願いしました。
注文してから豆を挽く音がして、コーヒー豆のいい香りが少し離れた席まで漂ってきました。私の席からは見えなかったのですが、友だちが「ここはネルでドリップしているんだね」と教えてくれました。
運ばれてきたコーヒーは、玄関前のショーケースにあった焼き物と色と風合いが同じものですね。けっこう大きめのカップにたっぷり入っています。
私のパナマコーヒーは、ブルーのカップには入ってきました。いい香りです。ひと口いただくと、焙煎したての豆のいい香り。ネルドリップだからなのでしょうか、色も濃く、しっかりとした味がしました。
お店によって微妙な焙煎加減や、抽出の仕方で個性が出るんですね。お友だちのブレンド共々、美味しい自家焙煎コーヒで満足しました。
コーヒーといっしょに注文したザッハトルテは甘さ控えめで、生クリームが添えられています。香りの良いコーヒーとの相性はピッタリ。
私たちがお店にいたときに60代後半と思われる男性が、帰るときにすれ違った男性がひとり、お一人様で来店されていました。お二人ともそれぞれとてもダンディで個性的に見えました。
銀座・然林庵(ぜんりんあん)は、知る人ぞ知る場所にありながら、自家焙煎の味を求めて来られる常連さんが多い大人の隠れ家のようなお店だなと思いました。
然林庵(ぜんりんあん)銀座店の場所は銀座六丁目。住所は東京都中央区銀座6-7-6 銀座細野ビル6F。アクセスは東京メトロ日比谷線・銀座駅B3出口から徒歩約2分。定休日は火曜日。営業時間は11時から19時。電話番号は 03-3289-5527 。然林庵は軽井沢にもありますが軽井沢店は現在休業中です。