「お待たせしました」と、ご主人が運んできてくれたのがお待ちかねの水庵弁当。こちらも作家さんのものなのでしょうか? 陶器のかわいらしい二段重ねの重箱。フタが閉まっているので中身がどんなものなのかと、よけいにテンションが上ります。
お重が目の前に置かれたあと、マスターがお重のフタを取ってくださいました。私と真由美さんは思わず「わ~~♪」。色鮮やかで可愛らしくて、ヘルシーなメニュー。こういうのに女性は弱いんですよね。メニューには書かれていなかったけど人参のマリネとお漬物も付いていました。
二の重はどうなっているのかしら? 一の重を取って二の重を見ると再び「お~!」っとうなってしまう色鮮やかなちらし寿司が。三月にはぴったりなメニューですね。
献立の内容は違うのでしょうが、雑誌で見たのと同じ宝石箱のような見た目に感動。早く食べたい、でも食べるのがもったいないようなって思わせる二段重ねの重箱弁当です。
水庵(すいあん)は、飲み物がご主人、お料理は奥様が担当だそうですが、お弁当のメニューは毎月替わるので、献立はいつもじっくり考えられるそうです。私たちがいただいた三月のお弁当には春を感じる菜の花がふんだんに使われていました。
こちらはごぼうとネギの春巻き。ごぼうの歯ごたえとネギの風味がいい。主婦には勉強になります。今度、家でも作ってみようかな。
こちら(二の重)は、ひな祭りにいただくようなきれいないろどりがかわいらしいちらし寿司。レンコン・にんじん・干ししいたけ・錦糸卵・えびなどたくさんの具材が入っていてかなり手が込んでいます。酢漬け生姜と菜の花の色合いもステキ。自然の酸味がきいたとても美味しいちらし寿司でした。
女性にはちょうどいい量ですが、お野菜やお豆が中心のため、しっかり咀嚼(そしゃく)するので、食べごたえもじゅうぶんです。彩りに添えられたブロッコリーやエビなどにもちゃんと薄味が付いているなど細部に奥さまの心遣いを感じました。
食事を終えてしばらくすると、ご主人がクランベリーとチーズの焼き菓子とホットコーヒーを運んできてくださり「どうぞごゆっくり」。コーヒーはご主人がその場で豆を挽いてネルドリップで淹れてくれるコクがあって濃厚な美味しいコーヒー。ケーキとの相性がとてもよく、カップにたっぷり入っていて大満足。
マスターと奥様のほかに、ケーキを焼いているのが娘さんだと教えてもらいました。このケーキが見た目には素朴なんだけど、ほんとうに美味しくて驚きです。たぶんお砂糖が違うのかなぁ?自然のやさしい甘さがして、あとに残りません。食べ終えたあと、おなかに優しい感じがするから不思議。これは素材にこだわっている証なんじゃないかしら、と感じます。
お食事もデザートもコーヒーも全部おいしかった。マスターとのお話の中で、素材にはこだわっていることを伺い納得。何より温かな落ち着いた雰囲気に浸れたすてきなお店でした。
表で目にした100円の「からし菜」をひとつ買ってお会計をすませ、大満足でお店を出ると、奥様がお見送りしてくださいました。ちょうど外に、お庭に咲いていたというお留め桜(おとめざくら)が活けてあり「よかったらお持ちになりませんか?」と言って分けてくださいました。桜をいただくことはそうそうあることではなく大感激。
さっそく家に帰って、お留め桜をお部屋に飾らせていただきましたがお部屋がグッと華やかになりました(お留め桜は蜂須賀桜=ハチスカザクラ=の別名です)
水庵では、五月からは大人気の名物「夏季氷」(かきごおり)を始めるそうで、14種類のソースをマスターが手作りするということを教えていただき、かき氷のメニューの画像を見せていただきましたが、これは絶対食べてみたい!と思います。
水庵弁当のメニューが変わる来月もぜひ訪れたい、そんなお店でした。
内陸型リゾートカフェ「 水庵 」(すいあん)の住所は埼玉県越谷市小曽川705。アクセスは岩槻駅・越谷駅西口から朝日バスで水上公園行き「水上公園入口」下車。バス停目の前。
水庵の営業時間は(5~9月)10時30分~18時(10月~4月)10時30分~17時。定休日は月曜日と火曜日。電話番号は048-974-5162。駐車場は24台。店内禁煙。車椅子対応可。ペットの同伴とベビーカーは不可。水庵弁当は電話予約をおすすめします。