さいたま市北区の喫茶店「紅毛屋 珈琲店」に行ってきました。
埼玉県さいたま市方面に車で出かけたときに何度か目にした「自家焙煎 紅毛屋 珈琲店」と書かれた看板。よさげな喫茶店だったなぁ……と、ずっと気になっていました。2017年5月9日。おぼろげな記憶をたどって行ってきました。紅毛屋 珈琲店(あかげやコーヒーてん)。埼玉県さいたま市北区宮原町にある隠れ家のような喫茶店です。
産業道路の宮原駅(東)交差点から宮原駅に向かう通リの右側に面した「自家焙煎 紅毛屋 珈琲店」という看板が目印。駐車場は4台ほど停められるスペースがあり、その奥に古民家風のお店があります。お店の周りの木々の緑もいい雰囲気。自家焙煎ということは、コーヒーにものすごくこだわっている渋い感じのマスターがいらっしゃるのかしら? と、お店のドアを開けるときはなぜか少し緊張しました。
入り口の扉を開けて店内に入るとマスターがお出迎え。「お好きな席へどうぞ」と客席に通されました。もの静かで、やさしそうなマスター。床・壁・天井…。お店の中は木のぬくもりがいっぱい。テーブルと椅子もすべて木の素材でできていました。
奥の窓際正面には「大きなのっぽの古時計」のような歴史を感じる柱時計が飾られています。近くで見させていただいたところ「meiji clock」(メイジ・クロック)と書かれていました。meiji・clockは、明治28年創業の名古屋の時計メーカー(明治時計株式会社)で、今でも骨董品としてマニアの方たちに愛されているアンティーク時計ようです。
マスターのセンスなのでしょうが、お店の中はとてもおしゃれで清潔感がありました。飾ってある絵やポスターなどは厳選されているといった感じ。BGMはクラシックでもなくジャズでもなくFM放送のラジオ。今回、忙しそうなマスターにはあまりお話を聞くことはできませんでしたが、なんかすごい人かも。紅毛屋のご主人。
手作り風のテーブルと椅子。特にテーブルには分厚い板が使われています。お店は30年ほど続けていらっしゃるとのことで、椅子やテーブルは使い込んでいい風合いを醸し出しています。壁ぎわの座席はベンチ風になっていて側面にはレンガが貼ってあります。きちんと並べられたきれいな座布団もおもてなしの心を感じます。座り心地もよく、お店の中の雰囲気はとても落ち着きます。
席に着くとご主人がメニューを持ってきてくださいました。メニューはよく見ると色紙を利用して書かれた手書きのものでした。「あめりかんぷれんど」「きりまんじゃろ」「れあちいずけいき」「こけももじゅうす」「じゃむとおすと」……。ひらがなで書かれていて味がありますね。
カウンターのほうを振り返ると、きれいで可愛らしいコーヒーカップがたくさんありました。紅毛屋(あかげや)では棚に並んだカラフルなカップもいい雰囲気を演出しています。
メニューの次に運ばれてきたのは陶器のカップに入ったお水とおしぼり。お水がこうした焼き物のカップで提供されるのは珍しいですね。ここもマスターのこだわりでしょうか。私は定番のブラジルコーヒーをいただくことに。いっしょにお店に行った賢治さんはモカマタリをお願いしました。
深煎りのブラジルは藍色とエメラルドグリーンのカップアンドソーサーで出てきました。九谷焼の陶磁器でしょうか。とてもきれいなカップです。コーヒーの味もなかなかです。
続いてモカマタリが運ばれてきました。こちらのコーヒーカップは九谷焼のようですが、単色で麦が描かれたやさしい柄のカップです。酸味とコクのバランスも絶妙。ほかのコーヒーが300円台から400円台がほとんどの中、モカマタリだけは650円と、紅毛屋の珈琲メニューの中では、いちばん高いコーヒーでした。モカマタリは人気が高く、高価な豆で焙煎も難しいとか。
たっぷりとカップに入ったコーヒーを静かな空間でFMを聴きながらいただきます。大きな窓からは新緑の緑がそよぐのが見えて小鳥も遊びに来ています。ゆっくりとコーヒータイムを楽しんでいると、あの振り子時計(明治クロック)が「ボ~~ン…」と1回鳴りました。時間を見ると2時半です。何とも言えないいい音が響いてきて思わず感動しました。
1杯目のコーヒーを満喫し、せっかくここまで来たのだから、あと1杯何かいただいて帰りたいな、ということで、アイスコーヒーとコーヒーゼリーを追加注文しました。運ばれてきたコーヒーゼリーは盛り付けも繊細。上に載っているのは生クリームにしてはなんだか固そうに見えますが……。一口いただくと、上に載っていたのはクリームではなく、ヨーグルト風味のシャーベットのようでした。これは初めていただく組み合わせ。サッパリ夏の味という感じでしょうか。
アイスコーヒー、こちらも焼き物でできたグラスでいただきます。よく冷えて暑い今日にピッタリ。飲みやすいアイスコーヒーでした。
せっかくなのでコーヒー豆も買って帰ることにしました。ご主人に「おすすめコーヒー豆をいただいて帰りたいのですが」とお願いすると、ブレンドを勧めていただきました。100グラムお願いし、袋に入れていただきました。深煎りでエイジングもいいあんばいのよう。家で淹れるのが楽しみです。
お会計をしたときに、レジのところに「ご自由に」ということで、今では懐かしくなったマッチが置かれていたので1箱いただいてきました。男性の顔のイラストの横には「アリガトウ」の文字が。シャイなマスターの温かみを感じた気がしました。
もの静かなマスターは、お店に訪れた私たちをそっとしておいてくれるので、おいしい自家焙煎コーヒーを飲みながら静かに自分だけの時間を満喫できる、そんな喫茶店・紅毛屋(あかげや)でした。
紅毛屋(あかげや)珈琲店の住所は 〒331-0812 埼玉県さいたま市北区宮原町2-126-4。電話番号は 048-666-6097。営業時間は10時から21時。定休日は金曜日。座席数は(角型テープル席)4人席3・2人席2(丸型テープル席)4人席1。店内は禁煙です。犬や猫などペットの同伴は不可。駐車場はお店の前に4台ほど停められるスペースがあります(上の写真参照)
電車での行き方は、埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)東宮原駅(ひがしみやはらえき)から約3分。車でのアクセスは、カーナビの住所を「埼玉県さいたま市北区宮原町2-126-4」に設置。場所は加茂宮自然の森の前。東宮原北交差点のすぐそばです。紅毛屋(あかげや)の正確な場所は下記の地図で確認できます。
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紅毛屋の公式ホームページ・ブログ・Facebookなどはありません。